日々思うこと

政治思想・哲学を中心に考察していきたいと思います。

【政治運動001】在特会と群衆心理

my日本からの転載
2012年06月03日
在特会と群集心理

すくなくとも団結を謳い、集団というものに安息や安心を求めようとすれば、間違いなく無情な群集心理が我々に近づいてくるだろう。

目次

 

 

在特会が一般人と思われる老人に対して暴力を働いた件に関して

 

全く当事者ではないので、動画で見られる以上のことは知らないし知りえないという断りはしておく。在特会が彼らの活動に対して非難した老人を押し倒した動画を見たが、はっきり言って容認できるものではない。

 

政治運動と群衆心理

 

個人的に彼らの活動のあり方についてはともかく、在特会の活動それ自体を批判するつもりはないが、老人に対して集団で襲いかかるという群集心理に陥ったのは完全に彼らの落ち度であり、謝罪あるいは反省をするのが筋ではないかと思う。

 

このことに全く反省しないのであれば、今後更なる群集心理にはまり込み、取り返しのつかない暴力行為を生み出す原因になるのではないかと思われる。

 

一部では老人や撮影者に対して工作ではないかという意見も見られるが、それはあくまで憶測に過ぎず、その確たる証拠を提示できない限り、その考えは正当化されえない。

 

個人の性格や理性とは無関係に働く心理のメカニズム

 

群集心理とは、彼らの構成員の政治的主張や論理とは無関係に発生するものである。これはある意味で日本の大手マスコミなども陥っていると言えるような非個人的な、誰の意見でもない機制として発生し、発達していく。

 

組織が小集団であればその統制もある程度は取れると思われるが、その組織が大きくなればなるほどに、それは益々、個人から乖離し群集心理としての機制に嵌り込む。

 

暴力革命は左翼の代名詞である

 

これはかのフランス革命、戦後左翼と同様に暴力的で冷酷、残忍な結果を生みかねない。最近ではやたらと拡散と情報共有が叫ばれ、情報弱者であるということを嫌い、日本の欠点を是正すべく人々が結束しているように思うが、そこに発生してくるであろう群集心理には、細心の注意を払って欲しいと思う。

 

こういった暴力行為は、おそらく誰も責任を感じないようなものとも言っていいだろう。それは個人の思考を発露としているものではなく、群集心理であるため、責任の所在がなくなるのであるから。

 

結社的集団に忍び寄る群衆心理

 

すくなくとも団結を謳い、集団というものに安息や安心を求めようとすれば、間違いなく無情な群集心理が我々に近づいてくるだろう。

 

以下同日記コメント

 

1: S

よくぞ正論を言ってくれました。

これを批判すると、私は似非保守呼ばわり、カルト呼ばわりされるのですが、やはり保守として許せないものがあります。

群集心理によって責任が希薄化し、暴徒と化していますよね。

老人が何者かだなんて、まったく関係がないんですよね。


2: 初瀬蒼嗣

>>1 Sさん

コメントありがとうございます。

私は参加していませんが、フジテレビに対するデモなどは、実際に活動する前に注意を促し、不測の事態に備えるなど、あれだけの大規模なデモであってもよく統制されていたと思います。

確かにこの老人が工作員である可能性は否定出来ないと思います。それでもその工作に上手く嵌られたとなれば、それは彼らの落ち度のはずです。

フランス革命が起こって以来、全うな保守派は暴徒化する集団心理を的確に批判していたと思います。ギュスターブ・ル・ボンなどがその好例です。保守であればなんでも許されると思っているその甘ったれた、子供じみた発想は一人の日本人の大人として批判するのが筋です。そこには思想信条の違いなど関係ありません。

 

3: P

中国の愛国無罪を批判する割には、このような行為を正当化しようとする人間がこちらのSNSには多数居るようでウンザリを通り越して笑えてます

通りすがりに雑コメは失礼。。。。


4: 初瀬蒼嗣

>>3 Pさん

コメントありがとうございます。

私もこのSNSを開始当初から使わせてもらっていますが、同じ感想を抱いております。

チラホラまともな方もいるだけに残念にも思いますが、まあこれが現実なのだろうと構えるより仕方がありません。